青龍 さんの感想・評価
3.7
な、なんじゃこりゃああああああ
朱白あおい(原作)、半月板損傷(作画)による原作漫画は、現在、『わいるどヒーローズ』(ヒーローズ)で連載中(既刊8巻、原作未読)。
アニメは、全12話(2023年)。監督は、稲葉友紀。制作は、『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』などのstudioぱれっと。
(2024.6.2投稿、10.3推敲)
タイトルの通り、な、なんじゃこりゃああああああという、よくわからない作品(笑)
話数とともに次第に「崩壊してゆく作画」、初めからチープ感を狙ってやってるのか?よくわからない「ドット絵」の挿入、雑なCGモンスター、実写のコンバイン画像の雑コラ
「宗教」という割と真正面から扱うことがためらわれる題材
「ごちゃまぜの世界観」と「ぶっ飛んだストーリー展開」
「ゲスい主人公」
性別転換とともに声優が諏訪部順一さんから富田美憂さんになって、元が男だからなのか(笑)、ストーリーと全く関係なく、際どいサンバの衣装を着ていたり、セクシーシーン満載のチョロすぎる「騎士ベルトラン」(※アニオリらしい)
あと、もう人妻になったからなのか(笑)、花澤香菜さんや小松未可子さんにそんなこと言わせていいの⁉︎と思ってしまうような「際どいシーンの数々」(見所ともいえますが(笑))
といった感じで、一般的に人を選ぶといわれる要素であったり、いわゆるクソアニメ要素満載なので、観る価値もないという評価がなされても全然納得できる(笑)
ただ、私は、なんか単純に駄作と切り捨てられない妙な魅力を感じてしまったんですよね…
その理由は、作画とかストーリーとかがハチャメチャなんだけど、「割とちゃんと考えられた設定」と「声優の演技力の凄み」で何とかギリギリ物語としての説得力が確保されていると思えたからでしょうか(もっとも、全然ギリギリじゃないよ!という評価もあると思うので、一応、注意はしたので後は自己責任で(笑))。
【割とちゃんと考えられた設定(※説明の範囲でネタバレ有り)】
ネタバレレビューを読む
(→『神無き世界のカミサマ活動』)
こんな感じで大枠の設定は、割とちゃんと説明できて、すべて真面目にやっちゃうとすごく重い話になってしまうので、本作を好意的にみるなら、エンタメとして極端に軽い話にしたのかも?しれません。
【声優の演技力の凄み】
また、本作の声優は、榎木淳弥、鬼頭明里、花澤香菜、緒方恵美、上坂すみれ、諏訪部順一、富田美憂、悠木碧、 高橋李依、小松未可子、小清水亜美、速水奨など他作品で主役を張るような錚々たる顔ぶれ(敬称略)。
本作は、上にも書いたようにストーリーの大枠はしっかりしているものの、細部はぶっ飛んでいるので(例えば、世界観ガン無視でアイドル活動…)、そのシーンだけ見るとよくわからない話なんですが(笑)、声優の演技力で押し切られているように感じました。
この低予算(多分?)アニメで、このメンツを揃えた意味がわかるというか、荒唐無稽とも思える話にリアリティを持たせてしまう声優の演技力・底力に改めて感嘆させられました(実際に存在しないものであっても、迫真の演技をされると実際にあると騙されてしまうアレ)。
【禁欲主義と神様(※余談)】
例えば、西洋のキリスト教は、「七つの大罪」に代表されるように、「色欲」、「嫉妬」など人間を罪に導く可能性があると見なされてきた欲望や感情を抑圧する「禁欲主義」です。なので、本作が描く徹底的な管理社会は、キリスト教的な禁欲主義の「成れの果て」という見方もできます。
これに対して、本作に登場する「カミサマ」、例えば、「荼枳尼」(ダキニ:CV.高橋李依)は、ダーキニーというインドのヒンドゥー教を起源とする東洋の神様で、一部の密教では性愛(SEX)を司る神と解釈されているようです(参照:Wikipedia)。
要するに、本作でも禁欲主義とは反対の快楽主義的なカミサマとして描かれています。
なので、本作は、キリスト教的な禁欲主義社会を快楽主義的な神様がぶっ壊し、欲望という人間性の根源を回復していくお話ともとれます。まあ、話がぶっ飛びすぎなので、少なくとも観てるときには、そんな高尚さを微塵も感じさせないのですが…
【最後に】
決して手放しで面白いといえる作品ではないのですが、単なるエロアニメとはいえない骨太の設定や声優の演技力があって、やりたい放題にキャラたちが動き回っても何とかお話として成立している(多分)。
なんか単純に駄作とも切り捨てられない妙な魅力を感じる作品なんですよね。
ちなみに、思いっきり途中で終わってます…個人的には続きが観たい!